『今』を映すシニア世代
こんにちは、異文化交流を子育てにがっちりいかす、大阪おかんのあやみです。
今日は私が所属している、大阪友の会の京阪方面のセールがありました。写真は、セールで販売していた子ども向けのおままごとセットです。一つ一つが手作りで、見れば見るほど手の込んだ作りで、丁寧に作られている様子が伺えます。
友愛セールという名前で年に2回、6月頃と12月頃に行われています。
来場者は98%がシニア世代といった感じ。
セール会場には開場の直前には、約80名のシニアの方が今か今かと待っていらっしゃって、すごい熱気なんです。
開場と同時に、特にお菓子関係のブースは長蛇の列になり、皆さん、お目当ての手作りお菓子や布製品、共同購入の乾物などを買い求めていらっしゃいました。
シニア世代の勢いというか元気さには本当に驚くばかりです。
私は、この状態は本当に今の日本の縮図だと思っています。
自治体が運営するコミュニティセンターや市民サークルが使える施設は、いつもシニアの方でいっぱいです。
チラシやその日の催しの案内を見ても、シニア世代向けの囲碁やお料理教室などのイベントでいっぱい。
コミュニティセンターでは民謡を歌う声が聞こえ、図書館の閲覧コーナーはおじいさん達が、その日の朝刊をめくりながら、ほとんどの席を埋め尽くしています。
お祭りとなればシニアの方が、準備から当日の運営など全てにおいて主力として動いてらっしゃいます。
シニアの人口が多いとか、働いていないからそういったコミュニティセンターにいらっしゃるとか、そういう問題ではなく、自治体や行政のイベントのボランティアや、市民活動の中心を担っているのがシニアだということです。
何をするにもシニアの力が欠かせないし、コミュニティーとして確立しているのもシニアであれば、その場を利用したり、活用しているのもシニア。イベントを企画するのもシニアであれば、実際に参加するのもシニア。
こんなにも元気なシニアを見ていると、こういった状態がいつまでも続くのではないかと錯覚してしまうくらいです。
でも、そんなわけはないのです。
これから10年15年の間に、今は元気で活動しているシニアたちがどんどん活動できなくなっていきます。
私は、そんなこれからどんな世の中になるかなんて、全く考えたことなかったのですが、1人の友の会の会員の方が言った一言が私に現実を教えてくれました。
それは友の会の会員の方のお家で月に1回開かれる最寄り会という会に参加した時のことです。
その日は落ち着きのない2歳児を連れて参加していたのですが、テレビ台の前に干支の置き物が置いてあり、その置物が陶器で出来ていたので、割れては大変と気をつけていたところ80代の会員の方が一言、仰ったんです。
『割れてもいいのよ。その年の干支が終わったらどうせ捨ててしまうのだから。だって、次の干支がめぐってくることなんてないから。』
この言葉を聞いた時、えもいわれぬ、寂しい気持ちになりました。12年後はさすがに遠くてどうなってるかは分からないけれども、でも自分がこの世にいなくなってるなんて考えたことない。でも、この方は12年後は自分はもうこの世にいないということを日々感じながら生きてるんだな。と。
悲しいとか辛いとかそういうことではなく、それが現実なんだ。
これからの15年で四国と九州の人口がいなくなる。
それは、紛れもない事実であり、変わることのない未来です。
今、目の前にいる、アクティブなシニア達が15年後に同じ活動をしているわけはありません。それどころか、要介護2以上の介護が必要になっている人が殆どでしょう。
市の施設を埋め尽くす、市民活動のほとんどが、平均年齢70以上のシニアの団体です。子ども食堂も、市がやっている絵本の読み聞かせや赤ちゃんイベントのボランティア、餅つき大会に、季節のお祭り、防犯の見廻り、小学生の登校時の旗もちボランティアなど、みーんな影では、自治会や市民団体が母体となった、ボランティア部隊が活動しているのがほとんどです。
市民活動=社会インフラ
10年後の社会インフラを支えているのは一体誰なんだろう?